百術不如一誠

社長ブログ

百術不如一誠

大工工務店としての「矜持と意地」 5/30

今、私が「大工」についておもうことは沢山ある。
特にこれからの時代の大工を考えると、
心配事と、大きな期待とが入り交ざり複雑な気持ちになる。
率直に心配事とは、「墨付け」と「刻み」をしなくなってきてる事だ、
構造材の刻みは弊社においても減ってきている。
ただし、今の刻みは、なんてことはない・・・
すっかり製品化された木材を刻むだけだ、
つまり私が刻んでた頃のように
荒木に墨をして矩を鉋でとるような事はしない。
最初から、梁なら梁の、柱なら柱の製品を仕入れれば良い。
そこに墨をして、機械で刻むだけだ・・・
(多少は鑿と鋸は使用するが・・・)
だから、刻みに関しては、さほど心配は無いが・・
「墨をつける」事をしなくなるのは残念で仕方ない。
私が、残念におもうのだから、
「墨付け」に関しては、
必ず、弊社の若い大工には必ず墨付けをマスターさせる。
しかし、他の大工はほとんど墨付けをしなくなっていて
これからの大工が心配になってしまう。
もちろん、「墨付け刻みができるから腕がいい大工だ」
ってなことは一昔前の概念と承知しているし、
「腕の良い大工 = 墨付け刻み」
そうおもうこと自体ナンセンスであることも承知の助だ、
今のプレカット技術と手刻み技術を比べると、
あきらかに品質という部分において、同等以上なものがある。
しかも、安いとしたら…
お客様の事を考えたら…
手刻みかプレカットかの選択は無い。
そうなってくると、ほとんどの大工さんが墨付けをしなくなって
しまう…。
大工さんが差別化として手刻みにこだわれば、
その大工さんは、墨付けをし続けるだろう。
今現在、私が思うに、
墨付けをするには、他の大工との差別化を訴え続けるしかないと思う。
とても残念だが・・・
しかしながら、これかの大工には夢があるともう。
期待感はMAX!    …・・・・・・つづく。