集合場所は わが家
旭市A邸
いよいよ夏本番をむかえる頃、Aさんのお宅にお邪魔しました。いつも笑顔で迎え入れてくれる、チャーミングなAさん親子。そんな二人の人柄を表すかのように、家もまたオープンな雰囲気が魅力です。
ずっと思い描いていた理想の家は、現代版「田舎のおばあちゃん家」。縁側でお茶を飲みながらおしゃべりしたり、広い畳でごろんと横になったり…。みんながふらっと立ち寄れて、気兼ねなく時間を過ごせる空間を目指しました。
できあがったのは、大きな開口をもつ開放的な家。この家の象徴、心地よい風が吹き抜ける土間スペースで、本日のティータイムが始まります。
住みながら 外に開く
Aさんのお宅の一番のみどころは、なんといっても玄関。土間スペースを広く取り、テーブルと椅子を置き、靴を履いたままおしゃべりできる場所をつくりました。ガラス引き戸を開け放つと、まるでテラス席のような開放感。やってくるお客さんも、自然とここに吸い寄せられます。
車で通りすがりにちょっと寄り、玄関土間やウッドデッキで楽しくおしゃべり。それが、この家を訪れるみんなの時間の過ごし方です。
最近では、常連さん持ち込みのガーデン用テーブルも増え、スペースは外へと拡大中。日差しを遮るためにオーニングも欲しくなりました。飲み物を出せば「おうちカフェ」のできあがりです。
建物だけでなく庭も開放的なのは、ご近所付き合いも大切にしたかったから。ひざ下ほどの低い柵を、ぴょんと飛び越えればもうお隣の庭。お互いに行き来しやすいように、ハードルをあえて下げました。家庭菜園の手入れを教えにきてくれたり、収穫のタイミングに声をかけてくれるお隣さんは、今では野菜づくりの先生です。
柵を低くしたことで、あたり一帯が1つの大きな庭のように見えます。「お隣の庭も借景しているんですよ」とAさんは冗談めかして笑います。
おもいっきり開放する場所とは対照的に、2階は完全なプライベートスペース。週の大半は自宅で仕事をするため、ぎゅっと集中できるワークスペースをセカンドリビングの一角につくりました。
プライベートとパブリックの空間分けが、住みながら外に開放するコツのようです。
2つの拠点を 楽しむ
「太陽を浴び、自然と戯れる暮らしに憧れていたんです。」都内の会社に勤続20数年のAさん。週に2日は向こうで過ごし、残りは自宅でテレワーク。仕事にサーフィン、庭いじりと、充実した日々を過ごしています。
特に10年以上続けているサーフィンは、今の暮らしになくてはならないもの。早朝の波との戯れは、いい仕事をするための栄養源。遊びも仕事もゆずらないのが、彼女のライフスタイルです。
2つのコミュニティを行き来することで手に入れた、より自分らしい暮らし。家のあちこちで見かける鳥のオブジェはAさんの姿そのもの。お気に入りのモビールのつばめのように、今日も自由に飛び回ります。