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お客さまの声

家族の時間がゆるやかに重なる住まい 

木更津市 M様

まだ家族がぐっすり眠っている夜明け前、ご主人は静かに身支度を整え、おにぎりを手に家を出て海へ向かいます。都内で会社員として働いていたM様はこの地へ移住し、漁師として独立。漁業会社を立ち上げました。そんな大きな転機のあとに建てたこの家で、家族の新しい暮らしが始まりました。

M家はご主人と奥様、中学生の長男、小学3年生の長女の4人暮らし。生活時間がそれぞれ異なるため、家族全員が朝食にそろうことはほぼありません。「今どきは家族と会話できるオープンなキッチンが多いと聞きますが、ウチはその逆。料理に集中したいので、リビングからキッチンが見えないように希望しました」と奥様。セミクローズタイプのキッチンは、造作のカウンターがリビングからの視線を遮ります。

リビングは、ソファを置かず床でくつろぐスタイル。窓際の造り付けベンチに腰掛けたり、ごろりと寝転んでテレビを見たりと、思い思いに過ごせるこの空間は家族みんなのお気に入りです。

念願の「あたたかさ」を叶えた暮らし

「いつも家族を感じられる家」が主流とされる中、あえて互いの生活リズムを尊重する設計は、M様ならではの選択です。イメージや流行ではなく「自分たちにとっての快適さ」にとことんこだわりました。

広いお庭に面した明るいリビングには、ダイニングテーブルやチェアもありません。朝早いご主人と年齢差のある兄妹は生活リズムが異なるため、家族揃って食事をすることは、誰かが無理をするということ。朝食はそれぞれキッチンカウンターでいただき、夕食はタイミングが合えば、リビングにローテーブルを出してお鍋を囲んだり。いつも一緒に過ごすことより、誰も無理をしないことを大切にしています。

そしてリビングの一角に置かれたケージでは、チンチラの「カイくん」が心地良さそうに過ごしています。
チンチラは高温多湿な環境が苦手で、気温15~22度、湿度は40%未満を保つ必要があるとのこと。そのため夏でもリビングは冷えすぎなほどエアコンを効かせているそうです。反対に冬は暖房なしでもぽかぽかと暖かく、ご主人が毎冬悩んでいたしもやけがピタリと治りました。以前に住んでいた家は広くてとても寒く、重度のしもやけは何をしても治らなかったそう。気密性・断熱性に優れた暖かな家は、ご主人の一番の希望でした。

海の仕事と家族のぬくもり

M様が営む漁業会社は、タチウオのはえなわ漁を手がけています。家業でもなく、漁業とは無関係だったM様が新規で漁師となった道のりは、非常に困難で厳しいものでした。様々なハードルを乗り越えて漁業権を取得し、ご自宅の2階に事務所を設立。広い敷地内には作業場もあり、仕事の休みは天候次第。私生活と仕事が密接に結びついた暮らしです。

お兄ちゃんは小学生の頃から休日は漁に同行し、一本釣りはえなわ漁の技術を学んできました。狙いは「幻のドラゴン」と呼ばれる巨大なタチウオです。将来、漁業を継承するかは未知数ですが、大海原で父とともに自然に挑んだ経験はかけがえのないもの。そして漁を終えた父子を迎えるわが家のぬくもりとともに、大切な思い出となることでしょう。