大工見習いからスタートした私は、父親や祖父に色々教えてもらった。
その教えが当時では間違っていたわけでも無いが・・。
その業界の常識の中で仕事をしてれば、きっと誰しも同じ考えになるだろう。
集成材より無垢の柱・梁、二階建ては通し柱が重要、プレカットより手刻み。
やっぱり伝統構法で建てるのが一番。私もこれを言ってきた時もある。(すみません)
今や、伝統構法は化石に近い!
構造的に在来工法と伝統構法を明確に区別するのは難しいが、
柱を使用して家を建てる構法を木造軸組構法といい、
さらに、筋交い・付属金物や構造用合板で壁量を確保して家を建てることを
在来工法という。つまり、伝統構法は壁量に頼らず構造架構(木組みそのもので)
大きな木を柱と梁として力強く組合わせて耐力をうみだすことだ。
日本で建築される木造軸組構法住宅の99%強は在来工法となる。
在来工法でも、きちんと許容応力度計算をすることが大事だ。
なぜ、弊社は10年以上前からSE構法(木骨造)もやっていたかというと、
最近ようやく耐震等級なる性能比較できるツールが整備されてきたが、
以前は違った。しかも、3階建ての場合胸を張って安全性を語るには
在来工法では少々不安だったからだ。
集成材をいまだに嫌がる方もいるが、構造材として使用するには最適である。
一枚一枚のラミナの強度を測り、そしてひとつの強度のある製品にする。
その後の計算ではかなり信頼性のあるものとなる。
問題は、施工上で雨に濡れ続けたり、野ざらしにされた場合は問題が発生するが、
そうでなければ、全く問題ない。湿気の吸収率がラミナ一枚一枚違うので、
不安に思う方もいるだろうが、そこもちゃんと水蒸気圧を考えてその外皮の構成を
間違いないものにすれば、むしろ無垢の柱・梁より安心である。
ただ、集成材をつくる上で接着材を使用するのが嫌な方は、あえて集成材を進めない。
しかし、接着材は世界の産業革命であり、
接着材を否定したらすべての建築商材は成り立たない。
たぶんホルムアルデヒドや揮発性物質の化学物質に敏感になり、不安に思うのであろう。
でも、IKEAの家具よりはるかに問題にならない数値だ。
弊社は集成材と無垢の柱・梁を選択できる。
通し柱については、何度か話してるので割愛。
海外から入ってきた木材加工技術を日本用に変えきた日本のプレカットも
何度か話してるので、割愛したいが、一言だけ。
私がまだ、大工の頃、「大工からノミや玄翁を奪うのか!冗談じゃ無いぜ!」
って思ったのも事実だが、結局、大工のための家なのか、35年ローンを組むお客様さんの
家なのか!そこを考えると簡単に答えはでる。
つまり、このプレカットという技術革新は、
品質の担保と一定化いう点においては、間違いなく採用しなければいけないものとなってきている。
そして、無駄を省いた合理化加工技術のおかげで、相当なコスト削減になっている。
さて、前置きが長くなってしまったが、ここからが本題になる。
つづく