こんな本を読んだ。
1944年11月の第一回の特攻作戦から9回の出撃。
陸軍参謀に「必ず死んでこい!」との命令に抗い爆弾を落として、
生還を果たした特攻兵「佐々木友次」の話だ。
今までの、神風特別攻撃隊のイメージが根本から変わった。
きっと今までのイメージは恣意的に創り出されたもので、
きっと命令をくだした側からの神格化された書籍からのイメージを私は持っていた。
しかし、この本のお陰で、今までの常識は吹っ飛んだ。
とても興味深く、多く考えさせられる。
著者は特攻隊について調べれば調べるほど「命令した側」と「命令された側」の側面があり、
この両者を区別しない「特攻隊とは何だったのか」という単純な問は成立しないと思うに至ったと言う。
戦後、東久邇宮首相が「この際私は軍官民、国民全体が徹底的に反省し懺悔しなければならぬと思う。全国民総懺悔することが我が国再建の第一歩であり、我が国内団結の第一歩としんじる」という「一億総懺悔」発言をした。しかし、どんな集団にもリーダーと部下いて、責任を取るのは「指示をだしたリーダー」であるはずだ。そうでなければ、「責任」に意味がない!
私と新入社員及びスタッフ。大手企業の社長と事務員。政治家と官僚。市長と市役所職員など、責任が同じにあるわけがない。
特攻も同じで、特攻を決定した人、それを推進した人、それに反対した人、それに従って死んだ人の責任の重さが同じであるはずがないのですよ。とても深く考えさせられた。
弊社もそうだ、責任の重さはそれぞれ違うけど、それでも皆「責任」を背負い仕事をする。
これが辛いなら逃げ出すしかない。
著者はこう言っている。
「21歳の若者が、絶対的権力を持つ年上の上官の命令に背いて生き延びる事を選んだ。それがどんなに凄いことなのか。僕が21歳才の時にそんなことは絶対にできなかったであろう。間違いなく挫けて、諦めて、絶望していただろう。多くの人に佐々木友次という人がいたことを知ってほしい。多くの日本人にこんな特攻隊員がいたことを知ってほしい。佐々木さんの存在が僕と日本人とあなたの希望になるんじゃないか。」
多くは言わないが、間違いなく勇気をくれる一冊だ。