気密測定は、内外の圧力差が少ない場合に、測定結果にバラツキが多くなるので、様々な圧力差をかけて測定を行い、測定値をlog-logプロットして回帰直線を導いて、その直線によって低圧力差時の9.8Pa(=1気圧)時の漏気量を求め、相当隙間面積(C値)を求めるのだが・・・・・・・。
さてさて、しかし。
私はこの気密性能をC値(相当隙間面積)で語ることに
とても違和感を感じるのである。
というのは、もう一度気密測定について言いますが、
C値と言うのは、内外圧力差が9.8Pa(=1mmAq 1気圧)の場合に、
どれぐらいの漏気量があるかを推定して、
それを建物の床面積当たりの隙間面積として表現した値であるので、
実際の測定では、9.8Paの漏気量と言うのは圧力差が小さ過ぎて、
外気の風速や他の要因に影響されて誤差が大きくなりすぎるので、
実際の測定では、
もっと大きな70Pa~20Paぐらいの異なった圧力差に置いて数回測定された値から、
回帰直線を導き出して、9.8Pa時の漏気量を推定しているのである。
つまり何が言いたいかというと、実は実は、C値という値は、
隙間形状によって空気の流量が色々の変化する不確定な数値であるということだ。
不確定な数値! ? だから、違和感を感じてしまう。
ヨーロッパやアメリカのようにシンプルに漏気量を比べればいいのでは?
なので弊社の気密測定は50Pa加圧時に建物の気積に対して1時間に
何回分の漏気量があるかを測定した値を示す漏気回数を求め、
さらに同じ加圧状態下に置いて1時間に建物に見付面積当たりどれくらいの漏気が
あるかを示す漏気量を求める。
シンプルでしょ。漏気量で比べる!
しかも加圧で測定すると漏気する箇所を正確に手当できる。当たり前だが、重要である。
通常以上に加圧された圧力差のある場合の値だから、
普通(台風などは別)はこのような大きな漏気量があるわけではないので、
比較値として建物の気密性能を比べるのにとても役にたつ。
ただ、当然お客さんへの説明のために、回帰直線から値を導き出してC値の値を明記してます。
ちなみに日本の気密測定機では、少しでも風吹くと正確に測れない。
しかも、減圧のみだ。ナンセンスである。
しかも、どうだろう多くの気密測定業者は、風があるときでもお構いなく測定を済ませて、
数値と請求書をだして終わりだ。
ここでC値の数値競争で終わってしまうのも悲しいが、
もっと言えば、その数値が正しくないことがとっても悲しい。
その数値を信じてしまっているお客さんはもっと悲しいはず。