日本の住宅は世界の先進国からみると非常識か否か?
という問題があるとする。
答えはきっと「まったく非常識である」
これが正解であろう。
しかし、これにお客さんは気づいていない。
自分たちが暮らそうとしている「家」が世界の先進国からみると、
まるっきり酷い「家」だということに。
少し勉強されたお客さんで理解できる方もみうけられますが・・・
ほとんどの方が、そこに気づかない。
いや、気づけないといったほうがよいのだろう。
今までの、日本の暮らしの文化のなかで育った私達は、
そこに疑問を持つことがなかったのだから・・・私もふくめて・・。
戦時中に、戦争は馬鹿げてるなどと言ったらきっと非常識だったであろう
いや「非国民」のレッテルをはられ もしかしたら留置所の可能性もあったであろう
戦後に、約223万戸(沖縄含まず)の家なくなったときに、雨風を凌ぐために造った家も
きっと非常識な家だったのであろう。
そして、ベビーブームの到来で全く住宅が足りなかった頃の家も、
今の家からすると、非常識なのかもしれない。
簡単に言ってしまうが・・・
時勢を考慮して住宅と非常識を考えると・・・
私はそう思う。
であるなら、私の曽祖父や祖父、そして父親は非常識な家を建ててたのか?
そうなる。
いや、28年前の私も然り。
その時々で真面目に住宅と向き合い、
良質な家はこういうものなんだと信じてやってきた。
世界に類をみないハウスメーカーというナショナルブランドでさえ
日本国民の生活の考え、住宅を供給してきた。
本題にもどるが、今、日本の住宅が他の先進国の住宅と比較して
何が非常識なのか!
ハウスメーカーを日本のカルチャーだと思うと
日本の住宅の歴史と変遷が時代とともによく解る。
まずは、戦後、世界一住宅が足りない国なってしまった事実があるわけです。
そして、国民のために、いや社会のために、性能や耐久性はちょっと置いといて、
多くの住宅を建設することができる会社を優遇して、
またその事が、経済成長を支える一つでもあり、
その時代の住宅、そして仕組みが日本の住宅の常識なのです。
耐久性や広さは二の次で、たくさん建てる事が社会のためになるわけです。
で、その結果が、家の広さは世界一狭く、耐久性は、言うまでもありませんね。
先進国の住宅と比べると、びっくりするくらい耐用年数はない。
住宅ローンが終わると住宅も解体か!そういったことになりますね。
他国が、120年100年80年が平均となるところ・・・
日本は30年35年、誰のための住宅なのか・・・
しかも、どんな収入の方でさえ新築に暮らせるように、
コスト安の住宅が存在しなければなりませんでした。
結果、低価格低品質低耐久もやむなしとなるわけです。
色々なお客さんがいるので、それもやむなし!
そんな事が戦後づっと続きます。それが、日本の住宅の常識です。
良心的に頑張っている工務店も、無意識のうちに日本の住宅の常識の中にいるのです。
つづく