ハヤシ工務店 広報の消火担当 加瀬です。
実は昨年から、地域の消防団に入っていました。
いざ入ってみると、思った以上に“地域の最前線”なんですよね。
ハヤシ工務店がある旭市は、冬場本当に乾燥します。
風が吹くと肌も痛いし、植物なんてパリッパリ。
乾いた田んぼや藪なんて、火がついたら一瞬で燃え広がりそうだな…
と、あらためて実感しています。そんな年明けの冬のある日。
年始早々に、さっそく火災発生の連絡が入りました。
藪に燃え移る火の怖さ
現場は藪の中。
乾燥した植物に一度火がついたら、まあよく燃えること。
大きな黒煙がモクモク上がり、
「これは、まずいな」と思わせる光景でした。
幸いにも、自分の所属する分団が早く駆けつけ、
連携して対応できたおかげで、甚大な被害には至らずに済みました。
もちろん消火作業は大変でしたが、
「地域を守っているんだな」という、
なんとも言えない実感が込み上げてきました。
…と同時に、
火事って、本当に一瞬で全てを変えてしまうんだなと
焼けて見晴らしが良くなってしまった薮を見て
身をもって思い知らされました。
火に繋がる“条件”とは
火が燃えるために必要な3要素、
いわゆる「炎の三角形」なんて言い方があります。
・可燃物
・酸素
・熱源
冬の旭市は、このうち「可燃物」「酸素」の条件が整いすぎている。
乾燥した植物は可燃物として最高だし、強い風で酸素もどんどん供給される。
冬場の風の強い日にゴミなんか燃やしたら一瞬で焼け野原ヒロシです。火のつきやすい状態というのは、
普段の暮らしではなかなか意識しにくいですが、実際の現場を見てしまうとその“危うさ”がよく分かります。
家の防火性能って?
火事の現場を経験すると、住宅における防火性能の重要さを、
より強く意識するようになります。
住まいの外壁や軒天井には、
不燃材や準不燃材が用いられることが増えています。
窯業系サイディング、ガルバリウム鋼板、
さらに内部の石膏ボードなど、
火が回りにくくする工夫はたくさんあります。
これは当たり前のように思えますが、
実際には「隣家の火事にどれだけ耐えられるか」
という現実的な課題に向き合うために存在しているものです。
もし藪の火事が家のそばだったら…
とまぁ、そんな想像が自然と働くようになりました。
暮らしの中での火災原因とは
とはいえ、住宅火災の原因は
外からだけではありません。
むしろ多いのは、
**暮らしの中の“うっかり**です。
・コンロの消し忘れ
・ストーブの近くに置いた洗濯物
・過熱した電気コード
・ホコリの溜まったコンセント
・調理中の離席
こうして並べると、
「そんなことで?」と思うようなことばかりですが、
本当に、これで火事になります。
現場にいると、
「火事って、ほぼ生活習慣から生まれているんだな…」
とつくづく思わされます。
乾燥する季節ほど、意識が大切
特に冬場は乾燥している分、
ちょっとした火種がドッと燃え広がりやすい。
ストーブに当たりながらウトウトしてしまうとか、
鍋を火にかけたまま別の作業をしてしまうとか、
リアルに危険なんですよね。
自分もよくあるので、 あまり人のことを言えませんが…。
ただ、消防団に入ってからは 「まぁいいか」が減りました。
火事の現実を見ていると、 それでは済まないと知ってしまったのです。
地域を守るということ
消防団は、 “地域のすぐそばにある消防力”です。
普段は別の仕事をしながら、 火災があれば駆けつける。
この距離の近さが、 被害の大小を分けることも多いと感じています。
自分もまだまだ経験は浅いですが、
「地域で暮らしている以上、 守る側にもなるんだな」
と、じんわり実感しています。
火事は“誰かの家”だけの話ではない
今回の藪火事も、
あと数分遅ければ状況はどうなっていたか分かりません。
火は本当に、予想を超えてきます。
だからこそ、 住宅の防火性能も、
暮らしの火の扱いも、「少し気をつけるだけ」で
ずいぶん違ってくるんですよね。
消防団での体験は、 自分の暮らし方や、
家づくりの大切さを考えるきっかけになりました。
火と上手に付き合う。火は文明の象徴であり破壊の神です。
そんな当たり前を、 これからも大事にしていきたいと思います。
