ハヤシ工務店 広報の天然担当 加瀬です。
先日、春先に種を蒔いていたマリーゴールドの植え替えをしました。
種を蒔いたのは3月の中頃だったと思います。
まだ少し肌寒さも残っていた頃ですね。
「ちゃんと芽が出るかな」なんて思いながら蒔いていたんですが、気づけばしっかり育ってくれていました。
……とはいえ、その後なかなか時間が取れず。
本当ならもう少し早く植え替えてあげたかったんですが、ついつい後回しになってしまっていて。
小さなポットの中で、だいぶ窮屈な思いをさせてしまっていました。
見るたびに「そろそろやらないとなぁ」と思ってはいたんです。
思ってはいたんですが、なかなか重い腰が上がらない。
まあ、こういうのありますよね。
でも先日、ようやく時間が取れたので、一気に植え替えをしました。
土を触る時間
植え替え作業って、始めるまでは少し面倒なんですが、やり始めると不思議と没頭してしまいます。
ポットからそっと苗を抜いて、根の状態を見て、新しい土へ移していく。
単純な作業なんですが、意外と気を使うんですよね。
根がしっかり回っているものもあれば、まだ少し頼りないものもある。
水加減なのか、日当たりなのか、それとも単純な個性なのか。
同じタイミングで種を蒔いて、同じ場所で育てていたはずなのに、ちゃんと違いが出ているのが面白いところです。
こういうのを見ると、「ああ、生き物なんだな」と改めて感じます。
並べてみると分かる違い
植え替えを一通り終えて、並んだマリーゴールドを眺めていました。
すると、同じように育てていたはずなのに、葉の大きさや色味、伸び方なんかが微妙に違うんですよね。
元気いっぱいに広がっているものもあれば、少し慎重そうに育っているものもある。
なんとなく性格まで違って見えてくるから不思議です。
もちろん、工業製品のように均一じゃないのは当たり前なんですが、
逆にその“揃いきらなさ”みたいな部分に、妙な魅力を感じたりします。
そして、こういう感覚って、建築の素材にも少し似ているなと思いました。
天然素材の個体差
家づくりの中でも、天然素材を使ったものには、やっぱり個体差があります。
例えば無垢の木材。
同じ樹種でも木目は全部違いますし、節の入り方も色味も一枚ずつ違う。
塗り壁なんかもそうですよね。
職人さんの手仕事が入る分、少しずつ表情が変わる。
工業製品のように「全部同じ」が前提ではないんです。
でも、その不揃いさが、逆に魅力だったりするんですよね。
均一じゃない心地よさ
もちろん、均一であることにも価値はあります。
精度が高くて、安定していて、安心感がある。
ただ、天然素材にはまた別の良さがあります。
少し色が違ったり、木目が流れていたり。
そういう“揺らぎ”みたいなものがあることで、空間にどこか柔らかさが生まれる気がするんです。
完璧に揃いすぎていないからこそ、人の暮らしにも馴染みやすいのかもしれません。
今回のマリーゴールドもそうでした。
全部が同じ形だったら、それはそれで少し怖いというか、味気ない気もします。
多少バラついているくらいが、見ていてちょうどいい。
経年変化という面白さ
天然素材の面白いところって、“今が完成ではない”ところにもあると思っています。
木材なんかは特にそうですが、時間が経つことで色味が変わったり、艶が出てきたりする。
暮らしと一緒に変化していくんですよね。
これって、植物にも近い感覚があります。
植え替えをしたばかりのマリーゴールドも、まだ完成形ではなくて、ここからまた育っていく。
季節の変化や環境によって、少しずつ姿を変えていくわけです。
“変わらないこと”ではなく、“変わっていくこと”に価値がある。
天然素材には、そういう面白さがある気がします。
手をかけた分だけ見えてくるもの
植え替え作業をしていると、どうしても一鉢ずつちゃんと見ることになります。
葉の状態だったり、土の乾き方だったり。
普段なんとなく眺めているだけでは気づかないことが、作業を通して見えてくる。
これ、家づくりにも似ている気がするんですよね。
素材のことをちゃんと知ろうとすると、その素材のクセや特徴が見えてくる。
「ここは傷つきやすい」とか、「ここは時間で色が変わる」とか。
でも、それを理解した上で付き合っていくと、だんだん愛着が湧いてくるんです。
手がかからないものも便利ですが、少し付き合い方を考えるくらいの素材って、意外と記憶に残る気がします。
不揃いだから面白い
最近は、何でも均一で、整っていて、失敗が少ないものが増えました。
もちろんそれはすごいことなんですが、その一方で、少しだけ“余白”が減っている気もします。
天然素材には、その余白があります。
木目の違いだったり、節だったり、小さな傷だったり。
そういうものを「味」として受け止められるかどうかで、感じ方も変わってくる。
植物を育てていると、その感覚が少し分かる気がします。
全部思い通りにはならないし、少し不格好なものもある。
でも、その不揃いさ込みで、なんだか愛おしくなってくるんですよね。
並んだマリーゴールドを見ながら
植え替えを終えたあと、並んだマリーゴールドをしばらく眺めていました。
同じ土、同じ水、同じ環境。
それでもちゃんと違いが出る。
その様子を見ていると、やっぱり天然素材の魅力も、こういうところにあるのかもしれないなと思いました。
全部が同じじゃない。
だからこそ、一つ一つに目が向く。
家づくりでも、均一で整ったものだけではなく、少し個性のある素材を取り入れることで、空間に表情が生まれることがあります。
たぶん、それって“完成度”とはまた違う魅力なんでしょうね。
そんなことを考えながら、水をやったばかりのマリーゴールドを眺めていました。
さて、ここからどんなふうに育っていくのか。
まあ、それも含めて楽しんでいこうかなと思います。
