ハヤシ工務店 広報の電源担当 加瀬です。
10月12日 暮らし体験会を開催致しました!
ご自宅をお貸しいただいたお施主様をはじめ、
お越しいただきましたお客様、ありがとうございました。
次回の見学会もよろしくお願いいたします。
さて、お引渡し後の暮らし体験会というのは、実際に暮らし始めてからのリアルな声を聞ける貴重な機会なんです。
お施主様の話を伺っていると、暮らしの中での発見や「もっとこうすればよかった」という生の意見がぽつぽつ出てくる。
その中で今回、特に印象に残ったのが――「コンセントが思った以上に足りなかった」という言葉でした。
ああ、それ、わかるなぁと。
まさに、日常生活あるあるです。図面上では十分な数を取っているように見えても、実際に暮らしてみると「ここに欲しかった!」って場所、出てくるんですよね。
図面ではわからない、リアルな「使う場所」
リビングなんて特にそうです。
テレビまわりにはゲーム機や録画機器、Wi-Fiルーター、掃除機の充電スタンド……。
気づけばタコ足配線になってしまっている。
しかも、ちょっと家具のレイアウトを変えただけで、使いたい場所からコンセントが遠くなる。
自分の家でも、延長コードをずるずると引っ張り出してきた経験、何度もあります。
冬なんて、こたつに加湿器に、電気毛布……。
「ちょうどいい位置」にあるコンセントって、季節や生活スタイルによっても変わるんですよね。
これがまたなかなか想像しづらい。
実際に暮らしてみると「ここにももっとほしかった」となることが多いのが、コンセント。
ちょっと多いかな、と思うくらいでちょうどいいのかもしれません。
家具が動けば、使い勝手も変わる
コンセントの位置って、実は家具の配置計画ともかなり深く関係しています。
リビングのソファを少し動かすだけで、せっかくのコンセントが家具の裏に隠れて使えなくなったりする。
そうかと思えば、ダイニングテーブルの位置を変えたら、今度はホットプレートや鍋のコードが届かなくなったり。
つまり、「暮らしながら家具の位置を変えるかもしれない」という前提で考えておくことが大事なんです。
人の暮らしは固定されない。模様替えもするし、家族構成も変わる。
新しい家電が増えることだってある。
それなのに、コンセントの位置はずっと固定。
そこが難しいところで、動かないものほど柔軟に考えておく必要があるんですよね。
暮らしの「もしも」を想像する
今回のお施主さんの言葉を聞いていて、改めて思いました。
「暮らす前に、どれだけ“もしも”を想像できるか」が、住まいづくりでは本当に大切だと。
もし、子どもが成長して部屋を分けることになったら?
もし、在宅ワークが増えたら?
もし、家電が増えたら?
そうした“もしも”を想像することが、快適な住まいに繋がるんですよね。
とはいえ、すべてを完璧に予測するなんて無理な話です。
それでも、少し先の自分たちの暮らしをイメージしておくだけで、
後々の「もう少しこうすればよかったな」を減らすことはできる。
そして、それを設計の段階で一緒に想像するのが、私たちの仕事でもあると思っています。
暮らしは“想定外”の連続
正直なところ、どれだけ考え抜いたとしても、実際に暮らしてみると想定外のことが起きます。
でも、それでいいんだと思います。
暮らしというのは、変化していくものだから。
むしろ大切なのは、変化に柔軟に対応できる余白を残しておくこと。
たとえば、後からコンセントを増設できるようにしておくとか、
延長コードをうまく隠せる造作棚を設けておくとか。
完璧に作り込むよりも、暮らしながら“育てていける家”の方が、長く心地いい。
これからを想像すること
お施主さんの「足りなかった」というひと言に、ハッとさせられた今回の出来事。
図面の上では見えていなかった“暮らしのリアル”が、そこにはありました。
暮らしは日々変わるもの。
だからこそ、今の自分たちの生活だけじゃなく、少し先の未来を想像することが、家づくりでは大切なんだなと感じます。
コンセントひとつ取っても、そこには暮らし方が映し出されているのです。