「加瀬くん がなにか言ってます。」

スタッフブログ

「加瀬くん がなにか言ってます。」

「塩害ベタベタ」と言われています。

NEW!

ハヤシ工務店 企画広報課釣り担当 加瀬です。
釣り広告って意味じゃないですよ⁉

先日、ハヤシ工務店がある千葉県旭市の地元の漁港「飯岡漁港」に釣りに行ってきました。
釣りなんて何気に人生で初めてだったんですが、
友達からの「ノリで道具買ったから行かない?」のひと声で、初挑戦してみました。
身近に当たり前にありましたが、海ってなんかこう、静かで広くて、気持ちがよかったですね。(語彙力)
風も空気もまるごと“塩”をまとってる感じでした。

さて、釣りは初心者の二人が思い付きで岸壁に立つ。
最初はほとんどアタリなし、少ししてからキスだのちssssっさなアジだのがぼちぼち。
しかし、潮風に吹かれながら、のんびり竿を垂れる時間というのは、
それだけで十分楽しかったりします。

…ただ、ですね。
帰ってきて車に乗った瞬間、腕も顔もなんかペタペタする。
髪の毛もゴワつくし、指先がちょっとぬるっとしてる感じ。
ああ、これこれ、これが“潮風”だと思い出しました。
なんともいえない、ベタベタ感。

潮風が家に与える「塩害」とは?

でもまあ、人間の皮膚なら洗えば落ちますけど、
これが“家”となると話は別です。
海沿いに住んでいると特に気になるのが、そう、「塩害」です。

潮風には、細かい塩分を含んだ水分がたっぷり混ざっています。
これが風に乗って飛んでくるわけですから、
屋根や外壁、車、ベランダの手すり、室外機まで、まんべんなく塩を浴びることになります。

塩は、鉄を錆びさせるのが得意です。
そして建物の金属部材(例えばビス、金物、手すり、雨樋、サッシ枠など)は、
多かれ少なかれ、時間とともにその影響を受けていきます。
もちろん、いきなり崩れるようなことはありませんが、
放っておくと徐々に腐食が進んで、建物の寿命にも関わってきます。

外壁・屋根の塩害対策に使える建材とは?

この「塩害」、家づくりの際にはけっこう重要なキーワードになります。
特に海が近いエリアだと、設計段階での配慮が必要になってくるんですね。

たとえば、外壁。
金属サイディングなんかは、塗装の種類やグレードによって耐塩性が大きく変わります。
塩害地域で使うなら、“フッ素塗装”や“無機塗装”といった耐候性の高いタイプがおすすめです。
金属ではなく窯業系のサイディングを選ぶ場合も、目地部分のシーリング材に注意したいところです。
紫外線や塩分によって硬化やひび割れが起きると、そこから雨水や塩分が浸入しやすくなってしまいます。

最近は「塗り壁+通気層構法」みたいな、昔ながらと現代技術のハイブリッドな外壁も人気ですが、
これも下地や仕上げに使う材料次第で、塩害への耐性が全然変わってきます。
要は、“表面のデザイン”だけじゃなく、“性能”をちゃんと見ないといけないって話です。

見落としがちな塩害ポイントと、金物・換気部の工夫

それから、金物関係も要注意。
庇(ひさし)の下地に使う金属、バルコニーの手すり、エアコンの室外機の架台、
ちょっとしたパーツでも、海辺の家ならステンレスやアルミなど“錆びにくい素材”を選んでおくと安心です。

あと意外に忘れがちなのが“換気口”や“通気口”。
ここも潮風が入り込みやすいポイントなので、内部の部品にステンレス製のものを使うとか、
フィルターを定期的に掃除するといったメンテナンスも大切です。

塩害に負けない家をつくるために

でもまあ、塩害を完全に防ぐのは正直むずかしいんです。
「潮風ゼロ」なんて立地はありませんから。
それでも、「どう付き合うか」という視点で設計・素材・メンテナンスを考えることで、
かなり長持ちする住まいにすることができます。

例えば、外壁は10年ごとに塗り直しをする前提で、
最初から「メンテナンスしやすい構造」にしておく。
軒を深く出して、壁への直接の風雨の影響を減らす。
バルコニーの床には排水勾配をしっかり取って、溜まった塩分を洗い流せるようにする。
そういう「細かいけれど効く設計」は、実はけっこう暮らしやすさに直結してきます。

釣りのあと、住まいのことを考えてしまうのは職業病?

釣りに行っただけのはずが、帰ってきてベタベタした腕を洗いながら、
「この潮風、家だったらどうする?」なんて考えてしまうあたり、
職業病みたいなものかもしれません。

でも、こういう“ちょっとした不快感”って、
実は住まいを考えるうえでの大事なヒントだったりします。
人の肌にベタつくものは、建物にもきっと良くない。
だからこそ、そういう感覚を設計や素材選びにちゃんと持ち込んでいけたら、
より長く、より快適に暮らせる家につながるんじゃないかなと思います。

おまけ:上手に焼けました~!

さて、釣りを開始したのが、午前10時半ごろでした。
そこから、食事も足らずに飲み物だけで午後8時まで10時間弱の狂気の滞在。
絶えず、糸を垂らしていました。
その日は晴天でした。
そんなこんなで、釣った魚より先にこんがり焼けた、人生初の釣り体験でした。

今週もいってきます、、、。