「加瀬くん がなにか言ってます。」

スタッフブログ

「加瀬くん がなにか言ってます。」

「洋上から」と言われています。

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ハヤシ工務店 広報科の釣り担当 加瀬です。
(釣り広告ダメ絶対)

写真撮り忘れてたので、サムネはイメージです。

先日、また釣りに行ってきました。
というか、毎週行ってます。
土日をまたぐごとに、肌が焼かれています。
平日は事務所にいるので緩急がすごいです。

焼いて、休ませてを繰り返して、ええ肉の火入れじゃないんですから。

さて、場所は前回と同じくハヤシ工務店のある千葉県旭市の地元の飯岡漁港。
前よりちょっと風が強くて、竿先がピクピクするのか、風で揺れてるのかよくわからないような日でした。
そんな中、ふと沖の方を見たら、大きな風車が回っているのが見えました。

海の上に風車。
最初はちょっと違和感がありましたが、見慣れてくるとそれなりに風景の一部になってくるもので。
風に合わせてゆっくりと回る羽根を見ていると、なんだか時間の流れまでゆるやかに感じてしまいます。

釣果はゼロ、、、まあ、楽しめましたよ、、、。
帰り道、クーラーボックスを下ろして、ふと頭に浮かんだのは――「虚しい」。

ではなく、「この風車の電気って、うちに届いてるのかな?」という素朴な疑問でした。

再生可能エネルギーと、暮らしの距離感

洋上風力発電というのは、風の強い海上に風車を設置して、風の力で電気をつくる発電方式です。
陸上に比べて風の流れが安定していて、規模も大きくとれるのが特徴らしいです。
日本の沿岸部でも、ここ数年で急にプロジェクトが増えてきた印象があります。

で、この再生可能エネルギーというやつ、確かに環境には良さそうなんですけど、
実際のところ、自分の暮らしとどうつながってるのかって、案外わからないまま生活している気がします。

部屋のスイッチを押せば、明かりがつく。
エアコンも、冷蔵庫も、炊飯器も。
当たり前すぎて、「その電気がどこから来ているのか」なんて、考えなくなってしまうんですよね。
でもふと、海の上で回る風車を見たとき、
「ああ、あれが今夜の照明の一部になってるかも」と想像すると、
ちょっとだけ電気との距離が縮まったような気がしました。

住宅に取り入れる「つくるエネルギー」

発電というと大げさに聞こえるかもしれませんが、
最近では一般住宅でも“電気をつくる”という選択肢が増えてきました。
太陽光発電や蓄電池、V2H(電気自動車から家庭に電気を供給する仕組み)など、
昔よりずっと身近な技術になっています。

屋根に載せる太陽光パネルも、以前に比べてスタイリッシュになったし、
発電量のシミュレーションなんかも簡単にできるようになりました。
売電価格が下がってきたとはいえ、「自家消費型」として考えるなら、
非常時の備えにもなるし、電気代高騰対策としても現実的です。

特に最近の家は、高断熱・高気密が当たり前になってきていて、
“エネルギーを使わない設計”とのバランスが問われる時代です。
少ないエネルギーで快適に暮らす。
そして、使うだけじゃなく「少しでもつくって補う」という考え方。
この小さな循環が、実はとても大事なのかもしれません。

風・太陽・地熱…エネルギーにも“地産地消”がある?

再生可能エネルギーの面白いところは、
風がある場所では風を、
日当たりの良い場所では太陽を、
温泉地のような地域では地熱を、
その土地の特性に合わせた方法で“エネルギーを育てる”ことができる点です。

これって、野菜や魚みたいな“地産地消”に近い考え方ですよね。
その土地にあるものを、その土地で活かす。
もし自分の住むまちの近くで風力や太陽光のプロジェクトが進んでいるとしたら、
それは“近くの誰かがつくったエネルギー”を自分が使っていることになるのかもしれません。

暮らしの中で、発電は見えづらい存在ですが、
見方を変えれば、日常の延長線上にちゃんとあるんだなと感じます。

“発電のある暮らし”は、建築とも深くつながっている

建築の世界では、ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)やZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)といった考え方が浸透してきています。
これは、建物の断熱性能を高めてエネルギー消費を抑えつつ、
太陽光発電などで自らエネルギーをまかなう住宅のあり方です。

たとえば、日射を計算して庇(ひさし)の出を調整したり、
断熱材の種類や厚みを選んだり、
建物の“かたち”や“向き”によっても、
暮らしの中のエネルギー効率は大きく変わってきます。

単にパネルを載せればOKという話ではなくて、
“使い方”と“つくり方”の両方からエネルギーを見つめ直すことが求められている時代なんですね。

風を感じて、エネルギーのことを考える日

釣りの最中に風力発電の話を考えてるなんて、
なんだか意識高い人みたいで我ながらちょっと癪に障りますが、
それでも、あの風車を見て「あれが自分の暮らしにつながってるかもしれない」と思えたのは、
ひとつの気づきとして、悪くなかったと思っています。

電気は見えないけれど、風は見える。
だからこそ、風を利用する発電は、私たちにとってわかりやすい“自然のエネルギーの姿”なのかもしれません。

クーラーボックスの中の虚無を見ながら、
今回は出番のない冷蔵庫のことを考えて、
冷蔵庫の電気も、どこかの風から生まれていると思うと、
少しだけありがたみが増したような気がしました。