「加瀬くん がなにか言ってます。」

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「加瀬くん がなにか言ってます。」

「照らす」と言われています。

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ハヤシ工務店 広報の電光担当 加瀬です。

先日、ハヤシ工務店からすぐにある海上公民館と飯岡灯台でイルミネーションが始まったということで、ふらっと見に行ってきました。
イルミネーションで光が加わるだけで、なんだか別の場所に来たような気分になるんですよね。

クリスマスももうすぐ。
寒さも本格的になってきて、夜の空気が少し張りつめている中で見るイルミネーションは、やっぱりきれいでした。
派手すぎるわけでもなく、でもしっかり“特別感”はある。
あの感じ、どう説明すればいいのか分からないですが、ただの飾り以上の力が光にはあるんだなと、しみじみ思いました。

照明は「暗闇を照らす」だけじゃなくなった

考えてみると、照明って本来は暗闇を照らすためのものですよね。
夜でも作業ができるようにする、足元が見えるようにする。
生きるために必要な機能としての光。

でも今の暮らしの中で、照明に求めているものって、それだけじゃない気がします。
むしろ、「明るければいい」という時代はもうとっくに終わっていて、
どういう明るさか、どんな光か、どこから照らされているか
そういった部分のほうが、ずっと大事になってきているように感じます。

イルミネーションもそうですよね。
暗闇を照らしているわけではあるけれど、目的は“見えるようにする”ことではなく、
空間を演出すること、気持ちを少し高揚させること。

つまり、光が「感情に触れる存在」になっている。

ライン照明や間接照明がつくる空気感

住宅の照明計画でも、最近よく目にするのがライン照明や間接照明。
天井の隙間からふわっと光が落ちてきたり、壁をなぞるように光が伸びていたり。

あれ、不思議ですよね。
直接光源が見えないだけで、空間が一気に落ち着いた雰囲気になる。
明るさ自体はそれほど変わっていないはずなのに、体感としてはずいぶん柔らかくなる。

これも、イルミネーションと近い感覚なんだと思います。
光を「当てる」のではなく、「置く」。
空間の中にそっと仕込む感じ。

そして、その仕込み方ひとつで、部屋の性格が決まってしまう。
ちょっと怖いくらい、照明って影響力が大きいです。

照明は“暮らしの個性”をつくる要素

照明計画を考えていると、
「この家はどんな時間を過ごす場所なんだろう?」
という問いに自然と向き合うことになると思います。

・夜は家族でゆっくり過ごしたいのか
・仕事や作業が多いのか
・来客が多いのか
・一人で静かに過ごす時間を大切にしたいのか

それによって、必要な光はまったく違ってくる。
明るさの数値ではなく、“雰囲気の方向性”が問われるんですよね。

照明は、家具や床材と同じくらい、空間に個性を与えます。
むしろ、家具を変えなくても、照明を変えるだけで別の家に見えることもある。
それくらい、照明は空間の印象を支配している。

光がつくる「居場所」という感覚

イルミネーションを見ていて思ったのは、
光があるだけで、そこに“居場所”が生まれるということです。

暗い場所にぽつんと光があると、人は自然とそこに集まる。
無意識に引き寄せられる。
灯台の光なんて、まさにその象徴ですよね。

住宅の中でも同じで、
「ここが一番落ち着く」
「なぜかこの場所に座ってしまう」
そういう場所には、だいたい“ちょうどいい光”があります。

明るすぎず、暗すぎず。
視線を集めすぎないけど、ちゃんと存在を主張している。
照明が上手く働いている空間は、人の動きまで自然になります。

イルミネーションから日常の照明へ

特別な季節に見るイルミネーションは、非日常の象徴みたいな存在ですが、
その考え方自体は、日常の暮らしにも十分持ち込めるものだと思います。

毎日は特別じゃなくてもいいけれど、
「帰ってきたときに、ちょっと気持ちがほどける光」
「夜に一息つける明るさ」
そういう照明があるだけで、暮らしは少し豊かになる。

暗闇を照らすための光から、
気持ちを整えるための光へ。

イルミネーションを眺めながら、
照明ってずいぶん役割が変わったなぁ、とぼんやり考えていました。
でもその分、暮らしに寄り添う存在になったんだと思うと、
それはそれで悪くない変化なのかもしれませんね。