「加瀬くん がなにか言ってます。」

スタッフブログ

「加瀬くん がなにか言ってます。」

「猫と暮らし」と言われています。

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7月に入ったばかりなのに、すでに猛暑日です。
まだ蝉も準備できていなのに、気温も気合も空回ってる感じです。
そんななか、うちの猫がどこで涼んでいるかというと――
玄関の土間の隅っこです。しかも風がよく通る、ちょうどいいスポット。
まるで「ちゃんと知ってる」かのように、いちばん快適な場所を陣取っています。

しかもその顔が、「ここ、私の場所なんで」って顔なんですよね。
こっちが「暑い…」とぐったりしているときに、ひんやりしたところで丸くなっている姿を見ると、
あぁ、猫ってやっぱり賢いなあ(あと可愛いなぁ)と感心してしまいます。
人間より、よほど気温と湿度とかわいさの使い方を心得てるというか。

ねこと暮らす住まいの「快適さ」ってなんだろう?

猫と暮らしていると、住まいの“快適さ”について考えることが増えてきます。
人間が「涼しい」「あたたかい」と感じる場所と、猫が好む場所はけっこう違っていたりします。
特にこの季節になると、猫は床の冷たいところ、風の抜ける場所、日の当たらない静かなところへと移動していくんです。

そういうのを毎日見ていると、「なるほど、そこに空間的価値があるのか」と、
建築的視点でもちょっと考えてしまいます。
猫は人間みたいに「がまんしながらここにいる」ってことをしないんですよね。
だからこそ、彼らが選ぶ場所って、住まいの“本当の快適ゾーン”なんだろうなと思います。

猫にとっても、人にとっても心地いい間取り

猫との暮らしで大切なのは、「自由に動ける空間」と「落ち着ける居場所」の両立です。
リビングや廊下、階段まわりなど、家の中を自由にぐるっと回れるような“回遊動線”があると、
猫にとってもストレスが少なくなります。
特に家の中に“上下の動き”を取り入れてあげると、運動不足の予防にもなっていいんですよね。

たとえば、キャットウォークや窓辺の棚。
造作で作るのもいいですし、ちょっとした家具をうまく配置するだけでも、
猫にとっては「見晴らしのいいお気に入りスポット」になります。
人の目線の上にいると安心する猫も多いので、
リビングの一角に高低差をつけた場所を設けるのもおすすめです。

素材選びにも、猫との暮らしの知恵を

それから、忘れてはいけないのが“素材選び”。
猫はよくソファの角で爪を研いでます…。
爪とぎ防止シートを貼っていても、なぜかちょっとズレた場所を狙うんですよね。
それはもう、猫あるあるでしょう。

床材にしても、滑りにくくて傷が目立ちにくいものを選ぶと安心です。
最近はペット対応フローリングなんていう選択肢も増えていて、
表面強化された木目調のものや、クッション性のある素材なんかも出ています。
特に夏場は、熱がこもらず、触ってもひんやり感がある素材がありがたいですね。

また、猫の毛って、思った以上に「素材の質感」に影響されます。
つるつるした床より、ちょっとざらっとした無垢の木の方が落ち着いて寝る、なんて話も。
人間が「掃除のしやすさ」で選びがちな部分でも、
猫の好みに合わせてバランスを取るのが、うまい住まいづくりかもしれません。

夏の「居場所」は猫が教えてくれる

この暑さのなかで、猫が涼みに行く玄関の土間。
実はこれ、住まいの中でも“温度ムラ”が出やすい場所です。
外気の影響を受けやすく、床材によって体感温度も大きく変わる。
でもそこにこそ、猫がしれっと陣取っているのを見ると、
「あぁ、やっぱりそこが快適なのね」と納得してしまう。

冷房をつけている部屋にいても、風が当たる場所からそっと外れて、
壁際の静かな場所に移動していることもよくあります。
風の通り道、熱のこもらない天井、音の届きにくい奥まった場所…。
猫は、言葉を使わずに“住まいの空気の流れ”をよく知っているんですね。

ねこと一緒に、暮らしをデザインするということ

最近は“ペット共生住宅”という言葉もよく聞くようになりました。
でも、立派な専用スペースや特別な設備が必要なわけではないと思っています。
大切なのは、“猫と人の暮らしのリズムが、うまく混ざっているかどうか”。

掃除がしやすくて、猫が安心して休める場所があって、
必要ならちょっと隠れられる場所もあって。
そんなふうに、“気配を感じつつ、それぞれに心地いい”距離感が保てていると、
猫も人もリラックスして暮らせるんじゃないかなと思うのです。

うちの猫が、今日も玄関でスーッと寝息を立てているのを見ながら、
家を抜けていく風に涼みつつ、フーッと一息ついています。