百術不如一誠

社長ブログ

百術不如一誠

大工工務店としての 『矜持と意地』 2/30

少し仕事も覚えはじめ、墨付けや刻みもある程度出来るようになると、
棟梁(親父)からの指示通りだけやることに、
ちょっとだけ反発したくなるようになる。
半人前のくせに生意気だった自分が、
今は恥ずかしい。
しかしながら当時の私は

自分で仕事を探して、見積もりをして契約して、
完成させて代金をもらう。
一人でこの流れをこなしたくて仕方なくて、
少しの間、親方の枠組みから外れることになる。
自分から、そうしたかったから朝早くから
夜遅くまで仕事をすることには全く苦にならなかった。
しかし、大工の仕事は想像以上に幅広い知識を必要とした。
私が、棟梁から教わったのは、鑿の砥ぎ方や墨付け、
そして刻み、取り付け…等々。
見積もりの書き方は少し情報を集めればなんとかなったが、
契約書のかわし方、書き方、約款、全てにおいて当時の私は
ど!ど!素人。
おかげで、ある不動産屋さんからお仕事を口約束で頼まれ、
そこから、負のスパイラルから抜け出せなくなることになる。
今でも想い出すが、すごく苦しかった。
すいぶんと引っかかってしまった。
(笑)って・・笑えないけど。
本当恥ずかしい。
少し仕事を覚えたでけで、一人でもなんとか出来ると勘違いした自分にね!
で、重大な私の欠点に気がついたんです。
いくらかっこつけて一人で仕事を取ってそして引き渡しても、
結局、支払い関係は棟梁だったと!
つまり仕事に関するキャッシュフローは棟梁で、
そこに全くタッチをしないで
騒いでいた自分は、
半人前どころじゃなくて、
まったくのガキだったんです。
あぁ~  
とっても恥ずかしくて、隠したい過去です。
つづく