百術不如一誠

社長ブログ

百術不如一誠

大工工務店としての『矜持と意地』  1/30

物心ついた時から、私のまわりには職人さんがたくさんいた。
そんな環境で育った私は・・・
時に彼等を
好きになったり
嫌いになったり
憎んだり
尊敬したり
感動したり、
何故だろう?
いつの間にか、職人を避けるようになるが、
いつの間にか、自分も職人の道を目指してしまった。
職人をやめてもう随分経つ。
初めて腰袋に玄翁を入れ現場に立った時、
初めて鑿を砥石で研いだ時、
初めて仕口を刻んだ時
残念ながら…思い出せない。
だだ、初めて家一棟を
自分で墨付けをし仕口を刻んだ現場が
上棟を迎える前日の高揚感は今でも鮮明に覚えている。
心配なことがあったのは事実、
墨付けが間違ってないだろうか?
刻みが上手くいってるだろうか?
雨は大丈夫だろうか?
しかし、そういった心配事より
自分が職人として、
「これからが本当のデビューだ」という思いと
「これから人に認められる仕事ができる」という
自分自身への期待感で、
私は最高MAXの高揚感に心が踊り、
静かな夜とは対照的にめちゃくちゃ興奮し
なかなか寝つけなかった夜を今でも覚えている。
子供の頃は、
「家は大工さんが建てるもの」そう思っていたし、そう教えてもらった。
しかし、今は少し違う。
かつては、材木選びから職人の選定、家の設計、現場の指示まで
大工職人の棟梁が行っていた。
しかし、今はそこまで出来る棟梁がめっきり減ったし、
ヘタをするとその地域に出来る棟梁がいないことも多々ある。
頼もしい存在であった棟梁は姿を消しつつある。
何故、頼もしい棟梁は姿を消しつつあるのか、理由はいくつもある。
ここでは触れないが、
それよりもこの今の現状の問題点をクリアにする事が大事になってくる。
かつて、棟梁の行っていた事を誰がするのか?
誰がその棟梁の代わりをするか?
弊社で言うと私だ。
もちろん大工になったからには、頼られる棟梁を目指したが、
残念ながら、今、私は職人ではない。
しかし、ずっと言い続けているがクラフトマン魂は持ち続けていると自負している。
そんな私が棟梁の役目を引き継いでいけることが嬉しい。
ただ、弊社にはスペシャルな棟梁がまだいる。
常に現場にでて一線で活躍する頼もしい棟梁
しかし、弊社の棟梁もそろそろ年かな…(笑)。
つづく