「網戸交換依頼」と言われています。 – スタッフブログ

「加瀬くん がなにか言ってます。」

スタッフブログ

「加瀬くん がなにか言ってます。」

「網戸交換依頼」と言われています。

ハヤシ工務店 広報のネット担当 加瀬です。

先日、叔母からとある依頼が入りました。

「網戸を交換するために、サッシから外して欲しい」

……なるほど。

網戸を外せばいいんですね。

それくらいなら、まあ大丈夫でしょう。

そう思いながら現場へ向かいました。

ところが、実際に現物を見てみると、そこにはなかなかの強敵が待っていました。

かなり年季の入った網戸です。

いや、網戸だけではありません。

家そのものが、築50年で聞くのかどうか分からないくらいの年代物。

「これは……結構古いな。」

思わずそんな独り言が出ました。

住宅というのは、50年も経つと本当にいろいろなところが変わっているんですね。

まずは網戸を外そう

今回の依頼は、あくまで網戸を交換するために、サッシから網戸を外すところまで。

網戸の張り替えをするわけでもありません。

なので、

「外して持って帰れば、あとは何とかなるでしょう。」

くらいの気持ちで作業を始めました。

最近の住宅であれば、網戸を外すこと自体はそこまで難しい作業ではありません。

外れ止めを確認して、少し持ち上げて、レールから外す。

もちろん製品によって多少の違いはありますが、基本的な構造はなんとなく想像できます。

ところが、今回の網戸。

そう簡単にはいきません。

「あれ?外れないぞ」

まず、最近のサッシとは明らかに雰囲気が違います。

金属の質感も違う。

部品のつくりも違う。

そして何より、どうやって外すのかがよく分からない。

「これはどこを動かすんだ?」

「このネジは関係あるのか?」

「あれ、そもそもこの網戸ってどうやって入れたんだ?」

いろいろ考えながら、あっちを見たりこっちを見たり。

まさに手探りです。

こういう時、説明書があればいいんですけどね。

さすがに50年近く前のサッシの説明書なんて、そう簡単には出てきません。

ようやく構造が分かってきた

しばらく格闘していると、

「もしかして、こういうことか?」

というところまで、なんとなく仕組みが分かってきました。

なるほど。

そういう構造だったのか。

最近のものとは、やっぱり違うんですね。

少しずつ外し方が見えてきて、これならいけるかもしれない。

そう思ったのですが……。

今度は別の問題が発生しました。

外れない。

構造はなんとなく分かった。

外し方も、なんとなく分かった。

でも、物理的に動かない。

年月の力には勝てない

長い年月を過ごしてきた建具です。

部品が固着しているのか。

建物自体が少し動いているのか。

長年の汚れや埃が積み重なっているのか。

いろいろな要因があるのでしょう。

動かそうとしても、びくともしない。

力を入れすぎて壊してしまっても困ります。

何より、網戸を外すだけなのに家を壊してしまったら本末転倒です(笑)。

慎重に、慎重に。

少しずつ様子を見ながら作業していました。

結局、その日は時間切れ

そんなこんなで、気付けばかなりの時間が経っていました。

「もう少しなんだけどなぁ……。」

外し方は分かりかけています。

でも、肝心の網戸が外れない。

このまま無理にやってしまうのも怖い。

ということで、残念ながらその日は時間切れ。

依頼は未達成のまま、帰路につくことになりました。

いやぁ、悔しい。

「網戸を外してほしい」という、いたってシンプルな依頼だったはずなのに。

まさかこんなに苦戦するとは思っていませんでした。

住宅は50年でこんなに変わる

帰り道、古いサッシと格闘したことを思い返しながら、ふと考えていました。

住宅って、本当に進化しているんだなと。

普段何気なく使っている窓やサッシ。

毎日開けたり閉めたりしていますが、そこには長い年月の中で積み重ねられてきた技術があります。

昔のものが悪いという話ではありません。

むしろ、50年近く経ってもまだ使えているということ自体、すごいことです。

ただ、今の住宅と比べると、やはり使い勝手はかなり違います。

「簡単に使える」も立派な性能

最近のサッシは、開閉が軽く、気密性も高く、掃除もしやすい。

網戸の脱着も比較的分かりやすく、メンテナンスのことまで考えられているものが増えています。

さらに、断熱性能や防音性能、防犯性など、窓そのものに求められる性能もずいぶん増えました。

昔は「窓は明るくするため、風を通すためのもの」というイメージが強かったかもしれません。

今では、それだけではありません。

暑さや寒さを抑える。

外の音を抑える。

防犯性を高める。

結露を抑える。

そして、長く使うためにメンテナンスしやすくする。

窓ひとつを見ても、住宅の進化が詰まっています。

古いものにも、もちろん良さがある

とはいえ、古い住宅には古い住宅の良さもあります。

今回の家も、長い年月を過ごしてきたからこその雰囲気がありました。

新品の住宅では出せない味。

傷や汚れも、その家が過ごしてきた時間の一部です。

柱や建具を見ても、

「ここで何十年も人が暮らしてきたんだな。」

ということが伝わってきます。

そう考えると、古いものをすべて新しくすればいいという話でもないんですよね。

使えるものは直しながら使う。

その一方で、暮らしに合わせて新しいものへ交換する。

そのバランスも大切なのだと思います。

家は「使い続けるもの」だから

今回、網戸ひとつ外せなかったことで、なんだか妙なことを考えるようになりました。

家は建てて終わりではない。

何十年も使い続けていくものです。

だからこそ、建てる時には「完成した瞬間」だけでなく、その後のことも考えておく必要があります。

掃除しやすい。

修理しやすい。

交換しやすい。

部品を手に入れやすい。

こうしたことも、実は住まいの大切な性能なんですよね。

今回のように、

「これ、どうやって外すんだ……?」

となってしまうと、メンテナンスひとつでも大仕事です。

50年後の家はどうなっているんだろう

今回の家が建てられた頃には、今のような高性能なサッシや断熱材、便利な住宅設備はまだ一般的ではなかったでしょう。

そこから50年。

住宅は大きく変わりました。

では、今建てられている家は、50年後にどうなっているのでしょうか。

その頃には、今では想像できないような住宅設備が当たり前になっているかもしれません。

窓も、もっと進化しているでしょう。

もしかすると、そもそも「網戸を外す」という行為自体がなくなっているかもしれませんね(笑)。

そんな未来を少し想像すると、住宅というものは面白いなと思います。

次こそは外したい

結局今回は、網戸を外せないまま帰ってきてしまいました。

「外し方は分かったんだけどなぁ……。」

という、なんとも言えない敗北感を抱えながら。

でも、今回の一件で、普段何気なく使っている住宅設備の進化を改めて感じることができました。

新しいものは、ただ新しいだけではありません。

長く使うこと。

手入れすること。

交換すること。

そして、日々の暮らしの中でできるだけストレスなく使えること。

そういう部分まで考えて、少しずつ進化しているんですね。

……とはいえ。

次に叔母から連絡が来たら、今度こそ外したい。

「網戸、外れました!」

と、ちょっと誇らしげに報告できる日を目指して、もう一度あの古いサッシと向き合ってみようと思います。

50年選手の網戸。

なかなか手強い相手でした(笑)。